岡田千夏

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京都府京都市

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  • 猫のお引越し、おまけ

     引越しの話のときに書こうと思って忘れていたのだけれど、引越し屋さんが家具を動かしたら下からいろんなものが出てきた。ビニタイ、どんぐり、ビー玉、ネズミのおもちゃ。どこを探しても見つからなかった水色のクレヨンも。
    冷蔵庫のキャスターを転がそうとしたが動かないので、引越しスタッフの人が「下に何かがいっぱい詰まっているから、滑りませんね」と言って、仕方がないので二人がかりで持ち上げると、やっぱり上に書いたようなものと、そのほかにマグネットがたくさん出てきた。
     冷蔵庫の扉にくっつけておいた小さな丸いマグネットで、確か最初は20個ほどあったはずなのに、いつのまにか数個だけになっていて、いったいどこへいったのかしらと思っていたのだった。
     それでそれらを拾い集めて、新しい場所に移った冷蔵庫の扉にくっつけておいたのだけれど、もう既に半分以下になっている。もちろん、犯人は誰だかわかっている。

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  • カイワレ

     いろんな食材を食べているつもりでも、知らず知らず、だいたいいつも買う物は決まってくる、意識して普段と違うものを買ってみよう、というようなことを妊娠中の母親教室で教わったのをいま頃思い出したので、スーパーに行ったときに実践してみることにした。
     そこでたまたま目にとまったのはカイワレ。カイワレといったら、7年くらい前、種を買ってきて台所で水栽培してみたが、遠慮がちに蒔いたためにひょろりひょろりと生えてきて、一度の食事に数本ずつしかとれなかったから、面倒くさくなってやめたのだけれど、自分で買って食べるのは、ひょっとしたらそれ以来かもしれない。
     1パックでよかったのだけれど、大特価で3パックが2パック分の値段になっていたから、つい逆らえずに3パック買ってしまった。実家の母も使うだろうと思って1パック持っていったら、いらないとあっさりと断られて、3パック抱え込むことになった。
     食べ慣れないから、薬味以外にどうやって使えばよいのかわからない。薬味くらいでは、3パック消費するのは困難である。前にネットでみたレシピを参考にして、茹でたカリフラワーにカイワレをどっさり乗せて、ポン酢とマヨネーズ、かつお節をかけて食べてみたら、結構美味しかった。
     朝食べるサラダにも添えたりして、毎食努力して消費しているが、ちっとも減らないような気がする。3つもあるパックのひとつひとつが、気前のいいことに、「大パック」であるらしい。
     ようやく1パックなくなったけど、食事のたびにカイワレを食べるのは飽きてきた。口の中に辛味が残っている。

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  • 行儀のいい猫、悪い猫

     新しい家のキッチンはカウンター式になっているのだけれど、猫たちはこのカウンターの上が好きである。距離は短いが、キャットウォークのつもりなのかもしれない。またカウンターに上ると、人間と目線の高さが同じくらいになるからとも思える。引っ越してきた当初、猫たちは家のあちこちを探検してまず足の裏にほこりをつけ、そのあと濡れた流しのあたりを通ってカウンターに上るから、カウンターの上にはしょっちゅう猫の足跡がついていた。
     カウンターの上に、花をコップに挿して置いておいたら、やっぱり猫の常でそこから水を飲むようになった。二人が飲むのでどんどん水位が下がっていって、口が水面に届かなくなったから手を突っ込んだのだろう、一度、ひっくり返したことがある。こちらで注意して、水面が一定のレベルより下がらないようにしておけば、大丈夫だろうと思う。
     そういうわけで、前の家でも同じようなことがあったけれど、生けていた花が枯れてしまったあとも、コップの水は猫用として常設することにした。
     ふくちゃんが水を飲んでいると、みゆちゃんはカウンターの上にちゃんと並んで待っている。
    みゆちゃんが水を飲もうとすると、ふくちゃんはみゆちゃんの横から割りこんで、順番を抜かしてしまった。

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  • 爪出しふくちゃん

     近ごろ、ふくちゃんはまた甘えん坊である。どういう周期で甘えん坊になるのかわからないが、よく膝の上に乗ってくるし、上着の懐の中に入りたがる。子猫の頃とは違ってすっかり大猫になってしまったから、入ろうとしてもかなり無理がある。少し大きめの上着だとなんとか入ることができて、狭い中でどんな格好になっているのかわからないけれど、ゴロゴロ言って喜んでいる。ふくちゃんがそう言って喜んでいるので、私も頭や足でおなかを突っ張られながら、喜んでいる。
     ふくちゃんが甘えてくれるのは嬉しいのだけれど、ふくちゃんはアンポンタンなのですぐ爪を出すから困る。膝の上でちょっとでもバランスが崩れると爪が出る。上着の中に入りたいと襟元を爪を出して引っ掻く。入れるはずもないタートルネックのセーターを着ているときにも入れてくれと引っ掻くから、糸が飛び出してしまった。上着の中に入ったあとも、ことあるごとに爪を出す。おかげで引っ掻き傷がしょっちゅうできる。みゆちゃんはお利口だから、よっぽどのことがないと爪を出さない。膝の上でも、爪を立てないよう気を使いながらバランスを取っているのがわかる。
     それでもやっぱり、上着の中に入れてくれといわれると、断ることはできない。懐でゴロゴロ言わせていたら、お母さん、おなかの中になに入れてるの、と子供がびっくりしていた。


    (余談)「アンポンタン」という名前のパン屋が関東のほうにあるらしい。冗談かと思ったけれど、フランス語で「un pont, un(アンポンタン)」は「夢の架け橋」という意味だそう。しかし、「アンポンタン行こうか」とか「アンポンタン美味しいよ」とか、真顔で言えないだろうな…

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  • 台所栽培

     人参や大根の切り取ったヘタを水につけて、若葉を生やしている。そうやって台所で育てておいたベビーリーフを、ちょっとサラダに添えたり味噌汁に入れたりすると便利だと、インターネットのどこかのサイトで読んだからで、大根はどんどん伸びてつぼみができ、花が咲くかと思ったらその前に折れてしおれてしまったけれど、人参はきれいなぎざぎざの若葉がすくすく伸びてきた。見た目にも可愛いのでまだ食べずにいる。
     2月の終わりに、間引いたような小さなかぶに可愛い葉っぱがついているのを、スーパーで束ねて売っていたから、一つ残してかぶのスープにして、その残しておいたひとつをお猪口に水と入れておいた。ぴったりの大きさで、小かぶがお風呂に入っているみたいであったが、もともと生えていた可愛いクローバーみたいな形の葉っぱが出ると期待していたら、全然違った太い茎と葉が生えてきた。どうなるかしら、大根みたいにまたつぼみが出るかと思って毎日見ていたら、一ヶ月ほど経った頃、猪口のお風呂のまわりに、なにやら細かい白いものがぽつぽつ落ちている。よく見てみると、かさかさしていて足のようなものがたくさんついていて、小さな虫の抜け殻である。いつのまにか、かぶの葉っぱに何匹ものアブラムシがついていた。
     ずっと部屋の中に置いているから、どこかから入ってきたとは思えず、買って来たときに、洗ったはずが、卵でも残っていて、それがひと月のうちにどんどん増えたのだろう。
     さてどうしようか、はじめはすぐ庭に捨ててしまおうと思ったけれど、庭のほかの植物までがアブラムシだらけになったら困るので思いとどまった。どこかで天道虫を捕まえて、ちょっと来てもらおうか、それとももうかぶは諦めて、ごみに捨ててしまっても構わないけれど。
     大きいのや小さいのがいる。どんどん抜け殻が落ちてくるから、小さいのが脱皮して、すぐ大きくなるのだろう。どのくらいのサイクルで増えるのかしら。うえのほうの葉っぱの表面にいるやつは、偉そうに両側の触覚を右左に動かしている。
     あんまり観察すると情が移ってはいけないと思ったが、放っておいたらどんどん数が増えていって、かぶの葉っぱがみるみるアブラムシだらけになり、恐ろしい感じになってきて、そうも言っていられなくなり、水でじゃばじゃば洗い流してしまった。

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