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CB Gallery in DesignFesta2007 レポート

CREATORS BANK Gallery in Design Festa 2007

今回で26回目を迎えるインターナショナルアートイベント【デザイン・フェスタ2007】が11月17,18日の二日間に渡り、東京ビッグサイトの西全館にて大々的に開催された。来場者数が過去最高の53000人を記録する大盛況ぶりで幕を閉じたこの祭典には、世界32ヵ国から7000人もの出展者が様々な形式で作品やパフォーマンスを発表。

その大規模なイベント会場の中でも、一際目をひく、鮮やかにライトアップされたCREATORS BANK(以下/CB)のブースには、厳選された20名のCBクリエイターによる作品がギャラリー形式に展示。それぞれの作品の下には無料(フリー)のポストカードが配列され、誰でも自由にそれを手にすることが出来るようになっている。

このような観覧者が、“各々に気に入った作品を気軽にポケットに持ち帰れる”というスタイルが特に好評を博し、二日間をとおして作品を楽しむ人々の足取りが止む事はなかった。

用意されたポストカードは計一万枚。

当初はスタッフ当人達にすら無謀にも思われていたこの莫大な枚数も、いざ蓋を開けてみればむしろ足りないといったほどの嬉しい誤算。

そのため初日は開場早々にポストカードが配布し尽くされてしまい、午後に足を運んだ人の手元にポストカードが行き渡らないといった状況もでてきてしまった。

最終日はこれを踏まえて、時間帯を分散してポストカードを常備するように心掛けたが、それにも拘らず人気のある作品のものはやはり無くなるのが早く、中にはお目当てのポストカード欲しさに二度、三度と立ち寄る観覧者も珍しくなかった。

また、ポストカードとは別に『CBの根底にある考えをシンプルにまとめた』というコンセプトブックもスタッフひとりひとりが手渡しで3000部近くを配布。

それは言うならば23ページのアート作品。
洒落たデザインに装丁され、さながらの欧州の絵本といった仕上がり。出来映えの良さからか、取材を兼ねてブースに同行させてもらっていた私にも
「これ、タダで貰っちゃっていいんですか?」と質問を投げかけてくる人がしばしば。
斯く言う私も一冊、ありがたく頂戴させてもらった。

そもそも初めて取材をさせてもらったのは今から遡ること二ヶ月前、代表の堤田和久はデザイン・フェスタへの参加を決めるにあたり次のように語っていた。

「CBを沢山の人に知ってもらう事はもちろん重要なテーマですが、なによりもCBに登録しているクリエイターのクオリティの高い作品達をより多くの人に見てもらい、そしてクリエイターのみんなに喜んでもらいたいというのが一番のコンセプトなんです 」

これまではオンライン上でのみ、つまりパソコンの液晶画面を通してでしかクリエイターや観覧者達と接する機会を持ち得なかったCREATORS BANK。それが今回、サイトをたちあげて三年目にして初めてその“液晶画面という透明の壁”を越える。これは言葉の上面以上にCBにとって大きな一歩、そして貴重な経験。
それと同時に、スタッフ達にも見えない不安や緊張が少なからずあったであろう事もまた事実。

「だからこそ、この反響は本当に嬉しいです。始まる前は心配の種は尽きませんでしたよ。人がちゃんと来てくれるだろうか、ポストカードは持っていってくれるだろうか、と」
堤田は感慨深げに振り返る。

そんな取材の合間にも、「この作品自体の販売はしてないんですか?」「ポストカードより大きいサイズの物が欲しい」等の要望が絶えない。 『反響』は同時にCBの次なる『課題』を運んでくれる。彼らにとって初めてのリアルイベントも、次に大きく跳ぶための助走にしなくてはいけない。

CBのつま先は既に先を見据えている。それは初日に集めたアンケートの声を参考に、二日目をより良くしようとする姿勢からも見て取れた。イベント終了後には、出展クリエイター本人達からもたくさんのメッセージが寄せられ、皆一様の喜びの声や感謝の気持ちが綴られていた。CBの想いは確実に実を結び始めている。

私はしばらくの間、ペンを止めて、スタッフが一生懸命にコンセプトブックを配布したり、観覧者からの質問に丁重に応対しているのをぼんやりと眺めていた。そして、ふと以前に堤田が口にしていた「3年後には10万人が利用するクリエイターサイトを目指す」という何気ない言葉が、輪郭を持った夢として見えはじめているのを感じずにはいられなかった。

19:00 

こうして取材という名目で密着させてもらった私にとっても長く、濃密だった【CREATORS BANK Gallery in Design Festa 2007】の二日間は、無事に閉幕の時を迎えた。

徐々に解体されゆくブースに達成感と安堵感、そして名残惜しさの入り混じった視線を向けながら、堤田はこう言葉を結んだ。

「また、来年もやりたいね」

CREATORS BANKの描く青写真は、無限にカラフルなのかもしれない。

文/玄田 裕隆
text by Hirotaka Genda

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